・頑張ってるのにバンドが売れない
・お客さん・ファンが増えない
・友人・知人を呼んでノルマをこなすのが精一杯
売れないバンドは才能もセンスもないというわけではないです。
めちゃくちゃうまくても売れずに解散していくバンドはたくさんあります。
メジャーデビューしたとしても神聖かまってちゃんのように経済的な理由でメンバーが脱退することもあります。
メジャーデビュー=売れるというわけでは決してありません。
実際にメジャーデビューしたアーティストや事務所に所属している知り合いはいますが、売れてはいません。
バイトを辞めるという夢も叶うことがないのが現実です。
バンドが売れない理由には需要と供給が釣り合わない業界的な側面もありますが
今回はバンドのみに注目して、根本的に売れない原因となる問題を紹介したいと思います。
- あなたのバンドが売れない原因が分かる
- 失敗したバンドマンの経験談から学べる
- これからのバンドのあり方がわかる
バンド歴6年でワンマンライブ経験のある元バンドマンの僕自身が過去の自分に伝えたい6つの要点を解説します。
誰にも求められていない音楽をしている
俺達は誰にも負けない良い音楽をしているんだ!いつか誰かに認めてもらえる!
なんて根拠のない自信とプライドに溢れている人は多いと思いますが、ノルマを知人友人で捌いているようじゃそんな日はいつまで経っても来ません。
やって来るのは焦りや考え方・やり方の違いなどで揉めて解散になる日です。
ターゲットを決める
自分達の商品は音楽です。商品を売るために戦略を立てるのは当たり前です。
自分達の音楽が若者向けなら徹底して若者が好きな傾向を研究して取り入れるべきです。
年齢層が高めの方がウケるなら徹底してその年齢層の好きな音楽性や交流の仕方を考えましょう。
年齢層だけでなく、会社員なのか主婦なのか学生なのかなど細かく絞った方が相手に伝わりやすい音楽、歌詞を作ることができます。
認められて好きになってもらうためには強く共感されることが重要です。
こういった架空の顧客像を決めておくことをマーケティングの用語で「ペルソナ設定」と言います。
売れ線・トレンドを取り入れる
メジャーアーティストや有名なアーティストでも売れ線でないと捨て曲なんて言われてしまいます。
大抵のアーティストにプロデューサーや楽曲提供など専属に付いているにもかかわらずキャッチーで王道要素がないと捨て曲なんて言われます。
なのにインディーズバンドが売れ線を狙わず、独自性だけで売れようとするのは無謀すぎます。
逆に流行のバンドを真似しすぎて個性がない場合はもっと色んなジャンルの音楽を聴いて知識を増やすべきです。
傍から見て聴いても見ても違いがわからない、自分達にしかわからないような伝わりづらいコンセプトはやめましょう。
他のバンドと同じことをしている
名前だけでも覚えて帰ってくださーい!
そんなMCで覚えられたバンドなんて絶対にありません。
印象に残るとしたら面白いMCや演奏の迫力、世界観です。
それも他のバンドとは一線を画すようなクオリティでお客さんの好みに合っていないとなかなか印象に残りません。
ライブでファンを増やせないバンドはライブに時間もお金も浪費すべきではありません。
他のバンドとはジャンルが違う、世界観・コンセプトが違う、技術が違うなど
お客さんから見たら何も伝わりません。
ライブに出る前に集客する
あなたが行くライブのアーティストはどこで知りましたか?
最近はYouTubeやSNSなどネットが多いんじゃないでしょうか。
ライブから知ってあのバンドのライブに行こう!ということは少ないと思います。
特にノルマを知人友人で捌くようなバンドは同じことを繰り返していつまで経ってもファンは増えません。
あ、ネットで見たあのバンドがライブするんだ!行きたいな!
と思わせるような宣伝をライブをする前にすべきです。
ターゲットによっては宣伝方法や使うべきSNSの種類も変わります。
集客を考える際にはまずターゲットを明確にしておく必要があります。
お客さん目線になる
自分のバンドと他のバンドの違いはお客さんから見て分かりやすいですか?
音楽は似てるけどジャンルやコンセプトが違うみたいなことお客さんにはわかりません。
MCが絶望的に面白くなければ音楽が良くても良くない印象になります。
逆に演奏が上手くてお客さんを引き込める世界観があれば、MCがなくても印象に残ります。
自分達のやりたいことを押し付けるのではなく、どんなことをすればお客さんが喜ぶかを考えて変えていきましょう。
愚痴や不満ばかり言っている
不平不満やネガティブな感情は伝染します。
うまくいかないことは認めてくれない世間が悪いのではなく全て自分の責任です。
お客さんがこんな風に思って、こう楽しんでくれたらというポジティブなイメージをしましょう。
愚痴や不満ばかり言っている人の周りに人が集まることはありません。
人間関係の悪化、バンドの解散にもなる原因です。
「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」
引用:井上 靖 (小説家) Wikipedia
この名言を覚えておいてください。
しっかり目標を設定する
バンド全員で統一した目標はありますか?
メジャーデビューする、売れるなどの曖昧な目標やMステに出るみたいな大きすぎる目標は良くありません。
アドラーの心理学によると高すぎる目標はやる気が損なわれるそうなので短期的な小さな目標と長期的な少し大きな目標と分けて詳細に目標を立てましょう。
- 半年後までにTwitterのフォロワー数+1000人
- 週1回YouTubeに動画を投稿
- 毎日SNSを更新
- 年内に新曲、MV制作
- グッズやサブスクなどの売上○○円
- インフルエンサーに認知してもらる
例えば上記のように目標を立てればこれから何をすべきかわかります。
毎週スタジオでダラダラ練習している時間は本当に大切なのかしっかり考えましょう。
関連記事:ギターのモチベーション・やる気が上がるたった4つの心理テクニック
メンバー全員が責任感を持つ
不平不満は責任感のないバンドメンバーがいることでも出てしまいます。
逆に責任感が空回りしてバンドメンバーに愚痴を言われることもあります。
それでもバンドメンバー全員がこのバンドで売れて飯を食う、ファンに好きになってもらうという強い意志があるなら責任を持って行動しないと足を引っ張ります。
バンドは音楽やエンターテインメントの魅力を商品にして顧客を満足させる商売です。
本気でやるなら仕事として責任を持たないと売れることなんてできません。
バイト・仕事があるからできない、プライベート・人付き合いがあるからできない、やったことがないからできないなど
できない言い訳を探すのは今すぐ辞めてください。
責任を押し付け合った結果が良かった試しなんてないので全員が責任感を持ちましょう。
自己中心的
自分のやりたいことを押し付けて認めてもらおうとするわがままな姿勢で通用するほど世の中は甘くありません。
認めて欲しいければとにかく相手のためになることを与え続けることです。
100回与えてようやく1回自分のためになることが返ってきます。
ファン・お客さんを大切にする
お客さんやファンが何を求めているか常に考えましょう。
あなたのバンドの曲が好きなら新曲を作って先行公開したり、もっと近くに感じたいと思っているならコミュニティなどで交流すべきです。
自分達の音楽を聴いてくれた人たちを放置してはいけません。
単純接触効果という心理テクニックでリピーターを増やすということも大切です。
メンバーをコロコロ変えたり、都合のいい嘘をついて騙すようなことが本当にファンにとって良いことなのか考えてみてください。
メンバーも大切にする
どれだけ実力があって知名度があってもほとんどのバンドは解散してしまいます。
そして多くの理由が人間関係です。
やる気や音楽性・やりたいことの方向性の違いなどありますが、自分の思い通りにならないことはいくらでもあります。
特に自分がされたら嫌なことを相手にするのは絶対にダメです。
仲間の考えや努力を全否定したり、自分は責任を取らないからと任せたり
もし自分がされて良くても相手がされて嫌なことならダメです。
身近な仲間すら大切にできないバンドマンがファンを大切にすることなんてできません。
音楽だけで売れようとしている
バンドなんだから音楽で売れるのは当然なんですが、メジャーデビューしてもそれだけで食っていける程稼げるとは限りません。
成功する人は必ず一人勝ちできる勝ち筋を残しながら戦います。
本気でバンドをやるならなおさらバンドのためになる技術を身につけるべきです。
メンバー全員が技術を身につける
インディーズバンドには事務所やレーベルに所属していなければマネージャーもプロデューサーもいません。
ということは必ずその役割をこなす人を雇うかメンバーの誰かが担う必要があります。
またアーティスト写真やMV制作、Webサイト作成、SNS運用など自分達を宣伝するためには様々な技術が必要で全て外注しているとかなり費用がかかります。
この費用がバンドで稼げれば問題ないですが、ノルマを捌くので精いっぱいの赤字バンドには厳しいです。
バンドの活動に必要な技術をバンドメンバーがそれぞれ持っていればバンドの売上に大きく繋がります。
例えばDTM・MIXの技術があれば、デモ音源やCDなどは自分達で作ることができます。
デザインの知識とPhotoshop・Illustratorの技術があれば、ロゴデザインやフライヤー制作もできます。
そんなことやったことない、できないという人は暇な時間に勉強して覚えてみましょう。
できない言い訳は禁止です。
バンドに役立つことを仕事にする
バンドマンのほとんどはバイトで資金を貯めていると思いますが、バイトが何もバンドのためになっていないのはもったいないです。
さっきのような例でいうと動画編集や画像加工の仕事をすればバンドの宣伝用の動画・SNS用の画像制作に役立ちますが、コンビニのバイトだと何の役に立つでしょうか。
接客スキルが人付き合いに役立っていたり、時給が良ければ時間を有効に活用できますがあまり効率はよくありません。
もし本気でバンドで売れたいと思っているならバンドのために知識や技術をつけられる仕事をしましょう。
意味のないことをしている
それってなんか意味あるの?って言われ続けたら腹が立つかもしれませんが
バンドが売れるために関連することに意味を持たせることは大切です。
意味があることかどうか問いかけることはやりたいことがバンドの売上や知名度・信頼を上げるために貢献しているかどうか確認することができます。
行動すべての意味を考える
例えば毎週スタジオに入る意味があるのかを考えてみましょう。
スタジオに入るのはライブのための練習がほとんどですが、そのライブにお客さんが来なければ見てくれる人がいないのに練習していることになります。
ライブでお客さんを魅了してファンを作りたいから一生懸命練習することは意味がありそうですが結構意味がないです。
そもそもお客さんは演奏技術はあまり見ないことが多い上に、演奏技術はほとんど合って当たり前なので毎週スタジオで技術を上げようとしてる時点で他のバンドに遅れを取っています。
セットリストやMCの構成のリハーサルもあるかもしれませんが、その練習をすることでお客さんは大きく増えますか?
毎週どこかで動画を撮ったり、技術以外の雰囲気作りやネットや人付き合いでの営業などの戦略立てをした方がお客さんは増えるんじゃないでしょうか。
人と同じことをやっているだけでは勝てません。
やりたいだけのことをしない
やりたいことがあるならやる意味を持たせましょう。
売れ線王道の音楽を取り入れたくない!自分の好きな音楽のジャンルをしたい!
というならそのジャンルが好きそうな人を徹底的に研究してターゲットにしましょう。
やりたくないことはなぜやりたくないのかその意味を考えましょう。
本気でバンドで売れたいならやりたくないなんてわがままを言うことに意味がないことがわかるはずです。
売れていないのに余計なプライドを持って頑なに変化を否定してしまうことは成長の妨げになります。
「生き残る種とは、最も強いものではない。 最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである」
進化論で有名なダーウィンの名言です。
やりたくないこともやりたいことのためならどんどん挑戦していきましょう。
まとめ
コロナ禍の影響もあってより音楽業界は肩身が狭い状態ですが、バンドで食っていくにはこれまでとは違ったやり方が一層求められていく時代なので
過去のやり方、周りと同じやり方に縛られずどんどん新しい領域を模索していきましょう。
コメント