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【初心者向け】MIXのやり方!6つの手順でコツや機材を徹底解説!

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  • 歌ってみたで「MIX」や「MIX師」ってよく見るけどやり方がわからない
  • ボカロPやプロみたいな迫力のある音源を作ってみたい
  • 素人っぽい音質をどうにかしたい

歌ってみたや有名なボカロPの投稿を見てみると概要欄に「MIX:〇〇」「Mixing(Mastering):〇〇」のように書かれていて気になったことはありませんか?

実は、この「MIX(ミックス)」という作業をすることによって素人のような音質のオリジナル曲が見事にプロのような音に変化するんです。

この記事を読めば
  • 初心者でもMIXができるようになる
  • YouTubeやニコニコ動画の再生回数が上がる
  • オリジナル曲やカバー曲のクオリティがアップする

僕もDTMで作曲を初めて間もない頃はMIXという作業について何も知りませんでしたが、今ではDTM歴10年でバンドやプロのレコーディング現場などの経験を経て、今では音楽事務所に楽曲提供したり、ボカロPや歌い手のMIXを手掛けるエンジニア(MIX師)として仕事をしています。

そんな経験から初心者にこそ必要なMIXの知識をできるだけ簡潔に解説していきたいと思います!

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MIX(ミックス)とは?

「MIX(ミックス)」及び「Mixing(ミキシング)」は各楽器や歌などの音量バランスなどを整えて聴きやすい綺麗な音に仕上げる作業です。

具体的には音量だけでなく、歌の音程を編集する「ピッチ補正」やコンプレッサーやイコライザーといった特殊な効果(エフェクト)をかけて聴きやすくサウンドをデザインしていく作業になります。

元々はそれぞれの処理に大きく高価な音響機材が多数必要でしたが、現代ではパソコン1つでできるようになってきています。

ちなみに、よく誤解される作業の「マスタリング」は、簡単に言うとMIX後の最終仕上げのような工程です。

パラミックスとボーカルミックス

MIXには「パラミックス」と「ボーカルミックス」という種類があります。

パラミックス:音楽業界で一般的に行われている全ての楽器の音を混ぜてバランスを整えること。作曲家、バンドマン、ボカロPなどにはこちらが必要。

ボーカルミックス:いわゆる「歌ってみた」で行われる歌ってみたMIX。伴奏と歌を混ぜてバランスを整えること。

通常ではミックスやミキシングはパラミックスのことですが、SNS上や歌い手界隈ではボーカルミックスのことを指している場合があります。

パラミックス
  • ドラム
  • ベース
  • ギター
  • ピアノ
  • シンセサイザー
  • ボーカル(歌)
ボーカルミックス
  • カラオケ音源

今回の記事では主にパラミックスを前提に解説していきますが、歌ってみたのMIXのやり方「ボーカルミックス」について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

≫【初心者でも簡単】歌ってみたMIXのやり方の基本とコツを解説

ピッチ補正とタイミング補正

ミックスと聞くとピッチ補正をすることだと思う方もいますが、正確にはピッチ補正やタイミング補正をする作業は「ボーカルエディットと言います。

ボーカルエディットはパラミックスやボーカルミックスに含まれる作業で、専用の特別なソフトによって行います。

ピッチ補正の詳しいやり方については以下の記事で解説していますので、気になる方は参考にしてみてください。

≫ピッチ補正のやり方を徹底解説!初心者でも簡単にできるコツとは?

MIXに必要なもの

MIXを始めるには以下の機材が必要です。何も持っていない方はまず揃えるところから始めましょう。

MIXに最低限必要な機材
  • パソコン:ノートでもデスクトップでもOK!
  • DAW:音楽制作をするためのソフト。
  • スピーカー:ヘッドホンやイヤホンでも可。
あると便利なもの
  • プラグインエフェクト:音を編集するための拡張機能。DAWに標準搭載されていることも多い。
  • オーディオインターフェイス:スピーカーとパソコンをつなぐ機材。
  • モニター用スピーカー及びヘッドホン:音楽制作に特化したスピーカー、ヘッドホン。

必要な機材のより具体的な解説については以下の記事で解説しているのでよければ参考にしてみてください!

≫【2023年最新】絶対に持っておきたい!MIXに必要なおすすめ機材15選

おすすめのDAWは「Cubase」

MIXをするときに必ず必要なのが、DAWと呼ばれる音楽制作ソフトです。

DAWの種類は様々で、どれも得意不得意な分野がありますが、結論から言うと最もおすすめなDAWは国内シェアNo.1の「Cubase」です。

CubaseにはMIXに必要なプラグインエフェクトが揃っており、ユーザーが多くサポートも豊富なため初心者からプロまで使われています。

最上位グレードを比較すると「Studio One」の方が安く見えますが、Cubaseにはピッチ補正ソフトが標準搭載されており機能が豊富なため、総合的に見るとCubaseの方がコスパが良いです。

学生ならアカデミック版という激安版を買いましょう。

≫【2023年】初心者におすすめ!DAW比較ランキング13選【無料あり】

スマホではできないの?

スマホでも一部の処理をする方法があるのでざっくりとは可能です。

しかし、できることに制限が多いのでうまくやろうとすると難しいです。

GarageBandなどのアプリではコンプレッサーやEQなどのエフェクトや音量調節は可能ですが、バス(グループ)トラックや機能の拡張がなく、ピッチ補正も他アプリを使用する必要があるなど非常に手間がかかります。

基本的にはパソコンを使うようにしましょう。

MIXのやり方

MIXをするにあたって、あらかじめパソコンにDAWをインストールして各音源を準備しましょう。

MIDIで作曲した音はオーディオに変換して、各楽器のパートはできるだけ細かく分けてからグループ(バス)にまとめておくと全体の調整がしやすくなります。

以下はMIXの工程の一例です。

MIXのやり方6ステップ
  • STEP 1
    ノイズと無音部分を処理する
  • STEP 2
    プラグインエフェクトでトラックの音を整える
  • STEP 3
    音量を調節する

  • STEP 4
    パンニングやリバーブで空間を演出する

  • STEP 5
    オートメーションで臨場感を出す

  • STEP 6
    マスタリングをする

ノイズと無音部分を処理する

各音源の意図しないあらゆるノイズやその原因となる無音部分は削除しておきましょう。

特にボーカルの「ザザッ」と擦れた音や「ポッ」といった破裂音(ポップノイズ)、「ペチャ」といったリップノイズなどには注意!

こういったノイズを一気にAIで削除してくれるプラグインもあるので、めんどくさがりな人にはおすすめです。

無音部分の削除はDAWのはさみツールなどで切ったあとにフェードをかけて「プチッ」となるノイズが出ないようにしておきましょう。

フェードアウトの操作

DAWによってはトラック全体の無音部分を一括で削除できる「サイレンスストリップ」という機能もあるので探してみてください。

プラグインエフェクトでトラックの音を整える

どんな楽器でもコンプレッサーやイコライザーといったエフェクトで音量や音質を整えていきます。

主に使用するエフェクトには以下のような効果があります。

  • イコライザー(EQ):音の周波数にフィルターをかけて音質を変える。
  • コンプレッサー:波形の音量差を整えて音量を均一にする。
  • リバーブ:お風呂のような残響を付け加える。
  • ディレイ:やまびこのように音を繰り返す。
  • サチュレーター(ディストーション):音を歪ませて迫力のある音にする。音割れ注意。

MIXでは特にイコライザーとコンプレッサーが重要になってくるので、基本的な使い方を紹介します。

イコライザー(EQ)の使い方

EQでの音作り
Waves Renaissance Equalizer

MIXでEQを使う目的は各楽器の「音作り」と「帯域の住み分け」です。

まずは音作りとしてGainを最大、Q幅を最小にして騒がしい部分があればGainを0以下に下げてカットしてみましょう。

「モコモコ」「キンキン」といった音がスッキリする!

次に帯域の住み分けですが、これには各楽器の特徴的な周波数の範囲を把握しておく必要があります。

各楽器の周波数帯域の住み分け

特にドラムのキックとベースは被りやすい周波数なので、どちらかの60Hz~80Hz以下をカットして中高音辺りを少し上げて目立たせるという方法がおすすめです。

より詳しいEQの使い方は以下の記事を参考にしてみてください。

≫【初心者必見】MIXにおけるEQ(イコライザー)の使い方とコツ

コンプレッサーの使い方

MIXでコンプを使う目的は主に以下のようなことに使います。

  • 音量の差を抑える
  • 音の強弱を整えて輪郭を出す
  • 奥行きを出す
  • 音をまとめて馴染ませる

どのパートも音量差を抑えることで聴き取りやすくなりますが、やりすぎると抑揚が失われたり聴きづらい音になってしまうので、少し難易度の高いエフェクトになっています。

難しくてよくわからないという人が多いと思うのでまずは以下を基準にしてみてください。

初心者おすすめの万能セッティング
GR(ゲインリダクション)-4dB
レシオ4:1
アタック5ms
リリース50ms

上記の設定からアタックタイム、リリースを動かしたりバイパス(エフェクトON/OFF)してみたりして、変化を聴いて全体を通してちょうど良い部分を探ってみてください。

あくまで一例なので、使い回しすぎには注意して徐々に使い方を覚えていきましょう。

具体的なコンプレッサーの使い方は以下の記事を参考にしてみてください。

≫【初心者必見】MIXにおけるコンプレッサーの使い方とコツ

パンニングやリバーブで空間を演出する

パンニングは音を左右に配置する作業です。

低音はセンター、高音ほどサイドに大きく振ることで立体的に聴こえます。

パンニングはドラムがポイント

特にドラムの各パートの配置が重要になってきます。まずは以下のような基準を試してみてください。

  • キック、スネア、ベース、ボーカル:C(センター)
  • ハイハット:R50
  • フロアタム:L50
  • ロータム:L30
  • ハイタム:R30
  • クラッシュシンバル:LR75
  • ライドシンバル:L60
  • ギター:LR85
  • ハモリ:LR60

(※ドラムはオーディエンス(客席側)視点です。)

ドラムはオーバーヘッドやルームマイクの聴こえ方と大きく変わらないように注意しましょう。

ギターは2トラック用意して「ダブリング」すると全体の音圧が上がるのでおすすめです。

空間系エフェクトのコツ

伴奏と歌を馴染ませるためにはコンプやEQなどの調整も大切ですが、奥行きを作り出す「リバーブ」も重要です。

リバーブやディレイなどの空間系エフェクトの基本としてインサートではなくセンドを使用することで原音が濁りにくく透明感のある音作りになります。

また空間系エフェクトを使用するときは以下のようなことを意識しておくとMIXに役立ちます。

  • リバーブは広さの違う2種類を組み合わせる。
  • キック、ベースなど低音にはかけない。
  • イメージの半分ぐらいでかけて、足りなければ増やす。
  • 遠くに置きたい場合は深く、近くに置きたい場合は浅くかける。(空間を意識)
  • バストラック(楽器ごとにグループ分けしたトラック)ごとに使う。

ディレイもリバーブ同様にかけすぎないことを意識しましょう。

≫DTM・MIXのリバーブの使い方とうまく馴染ませるコツ

音量を調節する

エフェクト処理が済んだら音量を調節していきます。

音量のバランスはMIXで最も重要なポイントで、エフェクト適用前や空間系処理の前に調節することも多いです。

本来はVUメーターを使用してヘッドルームを確認しながら調節…といったことをしますが、とりあえず難しいことは置いておいてまずは以下のようなルールを守って調整してみてください。

  • キックorスネアの音を-10dB前後にして後で絶対に動かさない。
  • すべてのパートの音量はキックorスネアより聴覚上大きい音にしない。
  • 微調整は±3dB以内。
  • フェーダーで音量をあげない。最後に挿入したエフェクトのゲインを使う。
  • ボーカルが浮くor埋もれる場合は音量ではなくEQ、コンプレッサー、リバーブなど他のエフェクトで調整。

このパートは何dBといった決まりや基準はないので参考にしている音源をもとに聴覚上で判断して調整しましょう。

オートメーションで臨場感を出す

全体の調整が一通り済んだら

  • Aメロは静かにサビの頭で大きく歌って欲しいな…
  • ギターのサビ前大きくなって欲しいな
  • ピアノここ静かにしてほしいな

というような部分が出てくると思います。

曲中にトラックの音量やパラメータを調整する「オートメーション」という機能を使って曲全体の雰囲気を作りましょう。

最初はどうすればいいのかわかりにくいと思いますが、これも参考音源を聴きながら各セクションと各パートの強弱をイメージしてパラメータを調整しましょう。

マスタリングをする

全ての調整が終わったらMIX作業はほぼ完成です。ここまで全ての処理が済んで書き出したものを「2mix(ツーミックス)」と言います。

この「2mix」にEQ、コンプ、マキシマイザーなどのプラグインを使って最終段階で綺麗に音圧を上げてイメージ通りになるように仕上げていく作業が「マスタリング」になります。

アルバムを制作する場合には複数の2mixを並列にまとめて行います。

マスタリングの主な工程

マスタリングはMIX作業と似ていますが、最後に全体の調整をするので、これまでのMIXバランスを壊さないようにより繊細に調整をしていきます。

以下はマスタリングの工程の一例です。

  1. EQで全体のバランスを整える
  2. コンプで全体の抑揚を抑える
  3. サチュレーターなどを使って歪ませる
  4. マキシマイザーで音量を底上げする

AIマスタリングソフト「Ozone」

マスタリングの処理は繊細でMIXとは違った難しさがありますが、最近ではAIを使ったマスタリングが非常に優秀です。

中でもiZotope「Ozone」は特に優秀で、ボタン1つでプロ級の自動的にマスタリングができます。

MIXで非常に役立つエフェクトも搭載しているのでぜひ導入してみてください。

ちなみにマスタリングをしても耳障りだったり音がこもったりシャリシャリする場合はMIXを見直す必要があります。

≫【DTM】ミックスで音が安っぽくスカスカになる原因と解決方法5つ

うまくMIXをするためのコツ

参考音源を聴き込んで徹底的に真似をする

MIXには正解がないと巷ではよく言われますが、聴きやすくするための基本的な処理やコツは存在するので作曲や楽器の耳コピと同様によく聴いて真似をすることが非常に重要です。

プロのミキシングエンジニアでもMIXをするときには「参考音源(リファレンストラック)」を用意して、自分のMIXを聴き比べながらリファレンスのようなイメージに近づけます。

初心者のうちはどこを聞けば良いのかわからないかもしれませんが、何度も聴くことで何が自分のMIXに足りないのかを研究することができます。

具体的には…
  • 各楽器の音量バランス
  • 各楽器がどのあたりの音域を担当しているか
  • 各楽器のパンニング、広がり
  • リバーブなどの空間エフェクトのかかり具合
  • Aメロ、Bメロ、サビなど各セクションの表現やオートメーション

上記のようなことに注目して聴き比べましょう。

リファレンスにする音源は何でも良いですが、できるだけ新しい音楽の方が聴きやすい傾向にあります。

ジャンルや年代によってMIXの雰囲気は大きく違うので、普段からいろんな音楽をたくさん聴いていおけばそれだけで上達の近道になるので、音楽を聴く習慣を身につけることも大切です。

プラグインエフェクトの基本的な使い方を覚える

どの分野でも独学で学び始めると「なんとなく」という感覚をそのままにして作業してしまいがちです。

例えばコンプレッサーのアタック・リリースやリバーブのプリディレイで音がどのように変化するのか、その意味をわからずに暗中模索を続けても一向に良くはなりません。

もちろんリファレンスをもとに耳を鍛えることは大切ですが、基本的なプラグインの使い方や音源に必要な処理を覚えないと応用ができません。

一つ一つ少しでも使い方を覚えましょう。

音質や機材にこだわる

MIXでは音源の録音状態の音質が非常に重要で、音質があまり良くないと相応の品質まで上げるためには苦労を要します。

また作業に使用する音響機材やプラグインも影響が大きく、安価なものでも可能ですが高価な機材やソフトは値段に見合った効果を発揮するので、早く上達したい人ほどあまりケチらない方がいいです。

プラグインはDAW標準搭載でも可能ですが、MIX用のプラグインのセットパックもあるので1つは持っておきましょう。

≫【2023年】Wavesプラグインバンドルの内容の違いを徹底比較!おすすめバンドル3選

作曲や自分で録音を行う人は特に音質にこだわることで、圧倒的にMIXのクオリティが上がるので、ぜひ意識しておいてください。

様々な環境で比較と確認を繰り返す

うまくMIXをするためには、リファレンスを聴いて目指す音を覚えてとにかく耳を鍛えることが大切ですが、リスニング環境や自身の体調によって聴こえ方は様々に変化します。

またスペクトラムメーターなどの視覚的な情報も頼りにしすぎると、耳で聴くことを疎かにしてしまいます。

どちらか一方に頼らず、どちらでも確認できるように視覚と聴覚のバランスを考えながらMIXをしましょう。

スピーカーだけなくヘッドホンやイヤホンなど様々な端末で確認することで問題がわかることもあります。

【まとめ】うまくMIXするには膨大な時間とお金がかかる

MIXには必要な機材・プラグインが多くCD音源のようなクオリティに仕上げるためには非常に時間がかかります。

プロのレコーディングエンジニアにMIX・マスタリングを依頼した場合1曲数万~数十万円以上。

ですが、最近では自分でMIXできる環境や機材が充実してきているので、基本さえ押さえておけば自信を持ってCDや配信に使える音楽に仕上げることができるはずです。

今回はおおまかな方法を紹介しましたが、各トラックの種類ごとなど具体的な処理方法についてはまだまだ解説しきれていない部分がありますので、気になる方はぜひ関連の記事などを御覧ください。

≫素人でもプロ級の音圧になるMIXの基礎

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