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ピッチ補正のやり方を徹底解説!初心者でも簡単にできるコツとは?

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  • 歌ってみたを投稿したいけどピッチ補正のやり方がわからない
  • MIX師に依頼した方がいいの?相場は?
  • ピッチ補正がうまくできないからコツを知りたい。

今回はこんな悩みにお答えしていきます!

現代ではやっていて当然のピッチ補正ですが、必要なものさえ揃えてしまえば初心者でも意外と楽に補正できていまいます。

重要なポイントを把握しておけばプロ級の補正も可能なのでぜひ細かくチェックしてみてください。

この記事を読めば
  • 初心者でもピッチ補正が気軽にできるようになる
  • 歌ってみたのクオリティが爆上がりする
  • 外注した場合の相場がわかる

僕は現在DTM歴10年以上で企業や音楽事務所などに楽曲提供しており、エンジニア兼プロデューサーとしてボーカルレコーディングやミキシング担当することもあります。

初心者の頃は数多く失敗をして学んできているので、これからピッチ補正について学んで歌い手やMIX師として活動したい初心者にこそ覚えてほしいことをできる限りわかりやすく解説していきます。

ピッチ補正とは

ピッチ補正はその名の通り、ズレている歌の音程(ピッチ)を正しい音程に修正する作業ですが、タイミング補正やテイク管理などMIX前に必要な処理を含めると正確には「ボーカルエディット」と呼ばれる作業になります。

ボーカルエディット後のハモリ生成やダブリングはMIX作業に含まれます。

どんなにうまいプロのアーティストでも現代では基本的にはピッチ補正で修正をしています。

実は「THE FIRST TAKE」も修正しまくりです。

ピッチ補正に必要なもの

ピッチ補正だけなら必要なものはたったの2種類です。

ピッチ補正に必須
  • パソコン or スマホ
  • ピッチ補正ソフト(プラグイン)
あると便利なもの
  • DAW(作曲ソフト)
  • 音感
  • 音楽理論の知識(キーやスケールなど)

スマホでも可能ですが、高品質なピッチ補正をするならパソコンは必須です。

音楽制作をしていればDAWを持っている人は多いと思います。

DAWの上位グレードにはピッチ補正ソフトが標準で搭載されていることが多いので、別途購入しなくてもアップグレードすることでも入手できます。

≫【2023年】初心者におすすめ!DAW比較ランキング13選【無料あり】

ピッチ補正にはある程度音感がある方が作業効率が良いですが、音感に自身がない場合はアシスタント機能のあるピッチ補正ソフトを選ぶか、ピアノ等で音程を取りながら作業しましょう。

おすすめのピッチ補正ソフト

初心者にもおすすめな代表的ピッチ補正ソフトは以下のとおりです。

  • Celemony – Melodyne
  • Antares – Auto-Tune
  • Steinberg – VariAudio

ピッチ補正ソフトで特に有名で初心者にもおすすめなのが「Melodyne」です。

DAWソフトがなくてもスタンドアロン(ソフト単体)で起動可能で、タイミング補正もできます。

機能性を重視するなら「Auto-Tune」がおすすめです。

設定すれば音程を自動で補正してくれたりケロケロボイスも簡単に作れます。

効率は最高峰ですがスタンドアロン動作はせず、手動補正は最上位グレードのみの機能になります。

Cubase Artist以上のグレードを持つユーザーなら標準搭載の「VariAudio」がおすすめです。

VariAudioは他の有料プラグインと同等以上の性能で、波形編集時に音質劣化が起きにくいという強みがあります。

無料のピッチ補正ソフト・アプリ

無料で使えるピッチ補正ソフトは有料ソフトほど機能や精度は高くありませんが、用途によっては意外と十分な機能を備えているもあります。

パソコンで使える無料ソフトのおすすめは国産で操作がしやすい「VocalShifter LE」です。

≫VocalShifter LEのダウンロードはこちら

最近はGarageBandやnanaなどのスマホアプリでもピッチ補正機能が付いていますが、機能が豊富な「Voloco」というアプリもおすすめです。

Voloco: ボーカルレコーディングスタジオ

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ピッチ補正(ボーカルエディット)のやり方

Cubaseの「VariAudio」を参考にピッチ補正のやり方を5つのステップに分けて解説していきます。

ピッチ補正(ボーカルエディット)の流れ
  • ステップ1
    音源の準備

  • ステップ2
    ベストテイクと入れ替える

  • ステップ3
    ピッチを正しい音程に合わせる

  • ステップ4
    タイミングを補正する

  • ステップ5
    ノイズの処理をする

音源の状態などによっては順番は前後することがありますが、大体の流れは上記のような感じです。

音源の準備

ボーカルエディットだけでは音質自体を良くすることはほとんどできないので、できるだけ音質が良い状態の音源を準備しましょう。

レコーディング(録音)段階で準備ができる場合は、クリップ(音割れ)のないように収録しておきましょう。

リバーブやエコー、環境の反響音やノイズなどの雑音もできるだけ入らないようにします。

音楽スタジオでマイクなどのレコーディング機材を借りて収録するのがおすすめ!
うまくやれば1回1,000円ぐらいで録音できます。

修正ができない音源

ピッチ補正では以下のような部分が含まれていると基本的に修正が難しいです。

修正ができない要素の例
  • クリップ(音割れ)
  • ネイザルノイズ(鼻音)や歌い方によって音程として認識されないノイズ
  • 滑舌
  • 感情やトーンに関わる声の出し方
  • 歌が聞こえにくくなるほど大きな環境音やノイズ

これらの要素は歌い方に大きく左右されますが、一部のノイズや音質などの問題を含めて録音の機材や環境で対策することができます。

自宅の部屋の中でスマホ録音という環境だと音質やノイズはもちろん、声が大きく出せないことから修正がしづらい声の出し方になりやすいので注意が必要です。

ベストテイクと入れ替える

ピッチ補正ソフトに音源を読み込ませると自動的に音程を検出して各音程を動かせるようになります。

【Cubase】
波形をダブルクリック→VariAudio→ピッチ&ワープを選択

このときに、ピッチを修正する必要があるのに音程を検出できていない部分がある場合は音程が検出できるテイクに入れ替えます。

【Cubase】
「X」でクロスフェード

テイクの継ぎ目はできるだけブレス付近にしておいて「クロスフェード」で処理しましょう。

テイクを選ぶコツは正しい音程よりも声の出し方や伸ばし方が良いもの選ぶこと!

ピッチを正しい音程に合わせる

音源をピッチ補正ソフトに読み込ませるとMIDIノートのように音程を表したセグメントが表示されるので、できるだけ正確な音程に修正していきます。

【Cubase】
①セグメントを選択→正しい音程にドラッグ
②ピッチをクオンタイズ(自動補正)で微調整

ピッチ補正をするときに意識しておきたいコツは以下の通り。

ピッチ補正のコツ
  • できるだけ歌を言葉として捉えずに楽器のような音として捉える
  • 母音の音程の変化をしっかり聴く
  • しゃくりやフォール、ビブラートの綺麗な波形を覚える
  • 全て完璧にしようとしない

母音の変化ですが、あいみょんのマリーゴールドのサビ頭を例にすると

 普通に言葉で捉えた場合:むーぎわーらのー
 音程で捉えて母音を分けた場合:むーぎわーらのおー

「らの」の音程は同じですが、母音で伸ばすところで音程が下がります。

日本語の歌は母音で音程が変化することが多いので、注意深く聴いて歌詞に引っ張られすぎないようにしましょう。

しゃくり、フォール、ビブラートなどのテクニックは歌がうまい人の綺麗なピッチの動きを覚えておくと綺麗に補正できるようになります。

大きくハズレた部分を無理やり正しいピッチに修正しようと平坦化するとケロり(部分的なケロケロボイス)の原因になります。

またピッチ補正はひとつひとつ音程を完璧にしようとすると時間がかかるうえに、やりすぎると個性を奪ってしまうことにもなるので、まずは違和感がある部分から修正していきましょう。

正しい音程がわからない場合は?

ピッチ補正ソフトにはクオンタイズや自動補正機能があってもそれが正しい音程なのかわからない場合があります。

基本的にはセグメントを動かしてみてメロディを確認するか、ピアノ音源やアプリで歌のフレーズを弾いてみて正しい音程かを確認します。

歌のメロディも楽器と同様に音楽理論に基づいたキーやスケールが決まっているので、自分のイメージしているメロディ自体が正しいかわからない場合は、音楽理論を勉強しましょう。

タイミング補正をする

ベストテイクでも歌のリズムがズレている場合は波形を編集してタイミングが合うように補正します。

【Cubase】
①AudioWarp → フリーワープを選択
②波形の固定したい部分をクリック
③動かしたい部分をドラッグ

DAWやピッチ補正ソフトに表示されている「小節」や「拍」に波形の始まり(ヒットポイント)やアタック部分を揃えます。

以下はタイミング補正前後を比較した波形の例です。

基本は拍子のグリッドに合わせていきますが、耳で聞いてリズムに違和感がない部分は必要以上に修正しないほうが個性を残せます。

タイミング補正はリズム感が重要。クリックやオケとしっかり比較して違和感のないように仕上げよう!

波形を伸ばすことはピッチ補正以上に劣化がしやすいです。

補正ソフトによって劣化のしづらさが大きく変わるので、できるだけ精度の高い補正ソフト(VariAudioかAuto-Tune)を使いましょう。

ノイズの処理をする

基本的にはレコーディング時にノイズが入らないようにセッティングしますが、自宅で録音している場合はノイズが多く含まれることがあります。

基本的にピッチ補正ソフトにはノイズ処理機能がないので、DAWや専用のノイズ除去ソフトを使用します。

ノイズ除去ソフト(プラグイン)はAIがノイズを検出してくれる「iZotope RX」がおすすめです。

ノイズの処理の例は以下のとおりです。

  • 無音部分削除(ストリップサイレンス)
  • 空調ノイズやホワイトノイズの削除
  • リップ、ポップ、クリップノイズなどの削除
  • 空間の残響(リバーブ成分)の削除

レコーディング時に対策がしっかりとできていれば、ほとんどストリップサイレンスのみで完了できます。

無音部分の削除はストリップサイレンス機能がなくても、はさみツール(手作業)で可能です。

【Cubase】Audio(メニュー左上)→高度な処理→無音部分の検出

小さなノイズならソフトで除去できますが、大きなノイズや歌に重なってしまった環境ノイズは取り除けても大きく音質が劣化してしまいます。

劣化した音質を再生したり良くすることは基本的に不可能なので、できる限りノイズの入らない環境で録音した音源を用意しましょう。

ピッチ補正の相場

作業にかかる時間は大体1~4時間程度ですが、精密に行う必要のある音源だと1日以上かかることもあります。

依頼をした際の相場は1,000円~5,000円が多くピンキリで、実績や人気のある方だと10,000円弱することもあります。

ピッチ補正のうまさは音感やリズム、音楽的知識があるのかどうかで大きく左右されます。

依頼をする際は音楽経歴が記載されているかをチェックしておくのがおすすめです。

「実績〇〇件!」とか書いていてもうまいとは限らない。

まとめ

ピッチ補正は必要なものとコツさえ掴めば、初心者でも意外と簡単にできます。

歌ってみたやカバー曲で高いクオリティを出すためにはピッチ補正だけでなく、MIXがかなり重要になってきます。

ほとんどの場合、ボーカルエディットはMIXという作業の中に含まれるので、さらに良いコンテンツを作っていくならMIXも視野に入れていきましょう。

≫【初心者向け】MIXのやり方!6つの手順でコツや機材を徹底解説!

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