歪みやアナログ系のプラグインが特徴的なSoftubeにはプロ御用達のTube-Techのモデリングが多数あります。
その中でもクリエイターにとって非常に手が伸ばしやすくコスパの良いお手軽コンプ「Blue Tone」。
今回はこちらの製品についてレビューしていきたいと思います。
Tube-Tech Blue Toneの概要
Tube-Tech Blue ToneはTube-Techのマルチバンドコンプレッサー「SMC 2B」と同社のイコライザー「PE 1C」「ME 1B」を組み合わせ、直感的にプロの設定を素早く使えるようにしたバスコンプ&エンハンサープラグインです。
Tube-Techといえばアナログコンソールでは非常に有名で、SMC 2Bはプロのスタジオでは定番です。
そんなTube-Techとの共同開発で正式にライセンスを得て生まれたのがこのBlue Toneです。
Tube-Tech Blue Toneの特徴と機能
圧倒的にシンプルな操作性
Tube-Tech Blue Toneの最大の特徴はその操作性のシンプルさ。
深い知識がなくても基本的なノブ操作だけで、手軽に高品質な音を作り出すことが可能です。
通常のマルチバンドコンプレッサーであれば適応する帯域を考えたり、レシオやスレッショルドなど細かく考える必要がありますが、Blue Toneではモードを選んでAmountを操作するだけ。
プロのテクニックが集約された8つのモード
Tube-Tech Blue Toneにはプロエンジニアのテクニックが集約された8つのモードがあり、それぞれのトラックに合わせてAmountを操作するだけで簡単に処理ができます。
- VOCAL CLARITY
- VOCAL FOCUS
- MIX BUS
- MIX BUS (WIDE)
- DRUM BUS
- BASS INSTRUMENTS
- KEYS/GUITAR
- STEREO GTRS (WIDE)
ほぼあらゆるミックスバスに対応しています。
PE1CとME1Bのイコライザー
Tube-Tech Blue ToneにはPE1CとME1Bという2つのイコライザーが内蔵されています。
こちらも定番のイコライザーで、細かい調整はできませんがその特徴をしっかりと再現したEQと色付けが可能になっています。
ちなみにEQは圧縮後に使用されます。
Tube-Tech Blue Toneを使ってみたメリットとデメリット
プロの設定が一瞬で作れる
Tube-Techをモデリングしたものは数多くありますが、自宅で作曲するミュージシャンに向けて手軽にプロの設定ができるという点がデジタルの強みを活かしていて素晴らしいです。
コンプやEQを思い通りに処理するためには長年経験を積んで時間をかけないと難しいので、こういった設定を素早く提案してもらえるのは嬉しいですね。
詳細な調整はできませんが、その分音を聴いて判断することに集中できるという点も非常に良いと思います。
自分の判断に余地を残しつつプロクオリティに仕上げられるところに、AI系プラグインへの対抗意識も感じます。
汎用性が高く音質が良い
さすがに定番なTube-Techだけあって、まとまりがよく挿すだけで音抜けを良くしてくれます。
8つのモードはほぼどのバスにも使えるので、これだけで各トラックをまとめてしまうこともできます。
ステムにまとめていく段階で、ミックスバスに色付けしていく手法はいろんなプロエンジニアの方が使っているので1つの引き出しとして持っておいて損はないです。
細かく具体的な調整をしたい人には不向き
ある程度自分のやり方が確立されていたり、理想的なイメージやリファレンスがある場合には流石にこれだけ適当に挿すということはできないです。
マルチバンドでの処理の影響もあるため、やりすぎると結構音色が変化します。
自分でしっかり比較検討ができる人なら、より良い使い方ができると思います。
まとめ
- Tube-Techのプラグインが気になっていて持っていない人
- バスコンプの設定がいまいちうまく考えられない人
- プロの設定を試してみたい人
こんな人におすすめなのではと思います。
特にマルチバンドコンプやエンハンサーを使った処理は、応用的なテクニックで得意でない人も多いと思うので手軽にプロの処理を楽しめるところが素晴らしいプラグインです。
バスコンプを検討している方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
コメント