・マルチエフェクターの音作りが難しい
・正しいつなぎ方や順番がわからない
・おすすめの使い方が知りたい
マルチエフェクターは機能がたくさんある分使いこなすのも難しいですよね。
実際使ってみると思った音作りができなかったり、音抜けがわるく埋もれたり、変なノイズが入ったり
コンパクトエフェクターよりも扱いが難しいことで良くない印象もあるかと思います。
僕自身マルチエフェクターの操作や音作りには長年悩まされました。
しかし、マルチエフェクターは使いこなせばコンパクトの良さが逆に分からなくなるぐらい便利なのでぜひ覚えておきましょう!
- マルチエフェクターの効果的な使い方がわかる
- コンパクトエフェクターにも負けない音作りができる
- エフェクターの基礎が身につく
楽器屋で100個以上のエフェクターを試奏し、実際にライブ等で使用して音作りを学んできた経験から解説していきます。
ちなみにマルチとコンパクトは併用できます。実は両方の良さは兼ね備えられます。
関連記事:マルチエフェクターとコンパクトは併用できる!それぞれの違いとおすすめ機種3選
インプットではなくリターンに挿す
マルチエフェクターの種類によってはインプットにしか対応していないもの(ZOOM G3nなど)もありますが、リターンに挿す用に設定が変えられるものもあります。
BOSSのGT-1などは親切に接続先が設定できるように表示してくれます。
リターンに挿すメリット
リターンに挿すとほとんどのアンプではマスターボリュームやプレゼンスのつまみしか効かなくなります。
インプットに挿すのと違い、ほぼマルチエフェクター本体のみで音作りができるのでアンプのEQや歪み方によって音が変わる心配がなく、ノイズ対策にもなります。
余計な歪みと混じることがないので空間系・モジュレーション系エフェクトが綺麗にかかります。
リターンに挿すデメリット
アンプの歪みが使えなくなるので、アンプの歪みとマルチエフェクターの音を混ぜることもできなくなります。
また、アンプによっては出力が足りず音量が足りなくなることもあります。
音量調節ができなかったり、マルチエフェクター本体を大音量で設定している場合アンプに負荷がかかって故障の原因になる危険性はあります。
アンプはプリアンプ(音を作る部分)とパワーアンプ(音を増幅させる部分)という二つのアンプからできています。
プリアンプ部分からセンドという出口があってパワーアンプ部分にリターンという入り口があります。
リターンに挿すということはプリアンプ(音を作る部分)を通さずにパワーアンプに音を送るということになるので、アンプの歪みが使えなくなります。
空間系だけ使う
マルチエフェクターの音作りで歪みが気に入らないことは特に多いと思います。
マルチエフェクターは空間・モジュレーション系のみ特化したものもあるので歪みと分けるという使い方を意識しても良いかもしれません。
アンプかコンパクトエフェクターで歪ませる
アンプの歪みを使う場合ライブ等では持参しない限り置いてあるアンプに頼ることになりますが
センドリターン端子にマルチエフェクターを繋いでマルチのアンプ・歪みをオフにすれば歪み以外で使用できます。
この場合インプットでも大丈夫ですが、相性の悪いエフェクターと直列に繋ぐとノイズの原因になったり結局空間系と歪みが混ざって音が濁りやすくなるのであまりおすすめしません。
また、センドリターンだとブースト用に歪みを足せば音量も上がりやすいので便利です。
パッチの順番と音量
マルチエフェクターによってはスイッチの数が少なく、小さな音の変更でもパッチ切り替えで対応しないといけなかったり、パッチ切り替えで音量の違いが気になったりすると思います。
特にインプットで使用しているとさらに音作りがぐちゃぐちゃになりやすいのでアンプのつまみは基本フラットにするなどして注意しましょう。
ライブを想定
パッチの順番は主に使うバッキング用の音の隣にソロ用とまた別のバッキング用を入れると使いやすいです。
曲の場面に合わせて次々に切り替えるセッティングもおすすめですが、容量がいっぱいになりやすいので注意です。
複数の切り替えで目的のパッチに切り替えると音のつなぎ目にノイズが出たり、大きなミスに繋がるので出来るだけ少ない操作で使えるようにしましょう。
使う場所によって音の大きさが変わる
ライブハウスや部屋の大きさによって音の広がり方が変わるので場所によって音量やイコライザーは調整しないといけません。
リハーサルでは中だけでなく外のスピーカーから音を聴いてみましょう。
演奏のたびにパッチごとの音量バランスに悩んでいる方はインプットに挿している場合やクリーンと歪みを手元の力加減に合わせて調整できていない場合があります。
エフェクトの順番
マルチエフェクターによってはエフェクト(つなぎ)の順番が切り替えられないものもありますが、切り替えられる場合にはしっかりつなぎ順のセオリーを覚えておいた方が良いです。
インプットに繋ぐ場合の順番の例
ギター→フィルター系→ダイナミクス系→歪み系→モジュレーション系→空間系→アンプ
必ず最後にプリアンプ・パワーアンプを通します。
センドリターンに繋ぐ場合の順番の例
センドリターンを使用する場合の例
ギター→フィルター系→ダイナミクス系→歪み系→モジュレーション系→プリアンプ→空間系→パワーアンプ
空間系の後に歪むことがないので音が分離したようなきれいな音になります。
モジュレーション系やブースト・イコライザーなどもセンドリターンに入れることがあります。
またワウやEQなど歪みの前後で音が変わるものもあるので試してみましょう。
やりすぎない
初心者にありがちなのが頑張ってやりすぎてしまうことです。
音作りは足し算より引き算を意識することが大切です。
空間系エフェクトを掛けすぎない
音の抜けが悪い、籠るといった人はリバーブを深くかけすぎたり、さらにディレイを重ねがけしたり音が遠くに行ってしまっているかもしれません。
また、エフェクトの種類によっては原音を大きく崩したり音の帯域が変化するものもあるので注意しましょう。
空間系はセンドリターンで使うと音抜けが圧倒的に変わります。
エフェクトを重ねすぎない
オーバードライブにディストーションをかけたり、アンプの歪み設定にイコライザーがついているのにさらにEQで調整したりすることは基本的には不必要です。
エフェクトをかけすぎるとマルチエフェクターでも音痩せします。
デジタル機器なので負荷がかかるほど音質が悪くなることもあります。
納得がいくまでシンプルな音作りに時間をかけましょう。
歪ませすぎない
音抜けが悪い、音がこもっている原因No.1です。
歪みはピッキングの力でコントロールできます。
マルチエフェクターによってはピッキングニュアンスに反応しにくいタイプもありますが
強めのアタックでピッキングすれば抜けよく歪むので練習してみてください。
また、イコライザーで中音域を削りすぎ、高音域と低音域を出しすぎのいわゆるドンシャリになっているのも音抜けに影響するので
まずはフラットな状態から削るように音作りをしてみてください。
シールドにも気を使う
地味に大事なのがシールドケーブルです。
大げさでも何でもなくシールドケーブルはエフェクター並みかそれ以上に音が変化します。
特に安いケーブルと高価なケーブルだと歴然の差です。
シールドはさすがに試奏しづらいかと思いますが、安いケーブルしか使ったことがない人は高価なケーブルに変えてみてください。
世界が変わります。
おすすめのシールドはLive LineのPure Craftです。
やってはいけないこと
種類の違う電源アダプタを使う
故障の原因になります。
例えば18Vとか書いているやつに普通のDC9Vのアダプターをするとノイズがめちゃくちゃなったりします。
壊れるので絶対やめましょう!
相性の悪いコンパクトエフェクター(アナログ系)と直列に繋ぐ
これもとんでもないノイズが発生します。
マルチエフェクターはFXループ(センドリターン端子)が付いていない場合は基本単体で完結するよう設計されているので組み合わせる場合はデジタル系同士で使いましょう。
また、電源不足というパターンもあるのでできればエフェクターを複数使う場合はパワーサプライを使用しましょう。
プリセットをそのまま使う
プリセットはエフェクトの使い方やそれを基準にカスタマイズするなどの参考程度にしましょう。
あくまで販促のためのサンプルが多く、プリセットを組み合わせるのは相性が良くない場合が多いので自分なりの音をはじめからしっかり作り上げていきましょう。
まとめ
マルチエフェクターの機種によって操作面や音質など得意不得意がありますので、マルチエフェクターを変えてみるのも一つの方法です。
参考記事:【初心者必見】後悔しないマルチエフェクターの選び方とおすすめ機種
日ごろからノイズを気にしていればDTMや宅録でも綺麗に録れるので意識しておいて損はありません!
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