アウトボード、オーディオインターフェイス、プラグインなどどの分野でも人気が高く評価の高いUADから出ている、アナログEQの代表的な機種「Pultec EQ」を入手したのでレビューしていきたいと思います。
今回は比較のために3種類のPultecモデルのEQを使用しましたが、結論から言うと最も汎用性が高く圧倒的に品質が高いと感じました。
その理由や具体的に他社のものとの違いや性能などについて解説していきたいと思います。
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Universal Audio「Pultec Passive EQ Collection」の特徴
UADのPultec EQ Collectionには低音域と高音域用の「EQP-1A」「HLF-3C」と中音域用の「MEQ-5」の3種類が同梱されており、この3つを使用することで全帯域の処理ができるようになっています。
Pultec EQは元々挿すだけで音が良くなると名高い機種でしたが、UADはアナログプラグインの再現が非常に忠実でその品質が評価されているため、最もアナログ気質と言えます。
UADではオーディオインターフェイスなどのDSPを使用して稼働するプラグインが多いのですが、このPultecはネイティブ(DAW内部)での使用が可能になっています。
他社との違い
Pultec EQをモデルとしたEQはWavesやIK Multimediaなど各社から販売されています。
今回は最も比較されるであろうWaves「PuigTec EQs」とCubase 13から追加されたDAW純正プラグイン「EQ-P1A」を比較してみました。
初期設定のパラメーターは全て違っていたので、全てフラットの状態と低域と高域をそれぞれ同じ設定でブーストした状態を比較してみました。
エフェクトをバイパスしたドライトラックとパラメーター0で挿しただけのウェットトラックを用意したので、ぜひご試聴ください。
UAD「EQP-1A」
評判通り実機特有の倍音をしっかりと再現しているのか、非常にふくよかでパンチのある音です。
パラメーターの動きによって変化する音質もなめらかでとても扱いやすいように感じました。
楽曲全体を通して聴いたときには各トラックに挿すことで、まるでグルーコンプのようにそれぞれが馴染みやすくなるような印象がありました。
Waves「PuigTec EQP-1A」
グリーン・デイ、U2、ジョンメイヤーなどを手掛けたJack Joseph Puig氏の所有しているPultec EQをモデリングしたプラグインです。
明るくタイトで煌びやかな印象で音抜けが良くロックサウンドに向いているように感じました。
UADほどアナログな色付けは少なく、こちらも扱いやすくUADとは使い分けができそうです。
Cubase「EQ-P1A」
Cubase 13から新たに登場したEQP-1AモデルのEQ。
挿しただけだと非常にナチュラルな色付けで、少し明るくなるような雰囲気です。
パラメーターは細かく調整できる反面、掛かり具合が極端で少しデジタルな印象でした。
メリットとデメリット
比較してみるとUADはアナログ特有の倍音をしっかりと再現しているため、トラック単体の印象を変えることや全体の馴染ませ具合を調整することが得意ということがわかりました。
しかし、再現度の高い反面使いすぎると不要なレゾナンスが増加する傾向にあるようにも感じました。
サチュレーション効果のあるプラグインを多用するとどうしても起こりうることなので、最近流行りの「Soothe2」や「Gullfoss」といったレゾナンスサプレッサー系のプラグインやダイナミックEQを併用することでより効果的にMIXが捗るかと思います。
まとめ
EQだけでなくコンプなどもUADプラグインを比較していますが、どの製品も非常に品質が高いのでつい頼ってしまします。
しかし、高品質なEQを持っていても基本的な扱い方がわかっていないと持ち腐れになってしまいがちです。
もしパラメーターの基本的な扱い方がわからない方がいたら、以下の記事をぜひ参考にしてみてください。
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