- DTMで作曲をしているけど音がショボい…
- CDやプロのような音圧が出ない
- コンプやリミッターを使っても上がらない
DTMで作曲をしてみていざ聞いてみると何だか迫力がなくて、売り出すどころか人に聴かせられるようなものじゃない完成度だったりしませんか?
僕も作曲を始めたときあまりのショボさに人知れずお蔵入りにしまくってました。
何度も悩んでネットで調べながらコンプやEQを使ってみましたが、結局それだけでは音はぐちゃぐちゃで聴きづらいのは治りませんでした。
初めてのオリジナル曲を友達に聴かせた時の何とも言えない微妙な反応は忘れられません(´;ω;`)
それから自身のバンド活動や様々な音楽制作でMIXを担当して、マイキングとライン録りの違いを研究したり実際のプロのレコーディング現場で学んだりした結果
今ではボカロPや歌い手、音楽事務所などから仕事をいただけるようになりました。
- DTMで自作した曲の音圧を上げる方法がわかる
- 音圧を上げるために必要なものがわかる
- ワンランク上のDTMerになれる
音圧が上がらない原因はMIX・マスタリング
音圧が上がらない原因にあたるのは主にMIXができていないという状態です。
MIX作業の中で音圧が上がらないのは次のようなことが原因です。
MIXがしっかりとできていればマスタリング段階で音圧を上げる必要はほとんどありません。
僕も昔はマスタリングだけで音圧が上がると勘違いしていました。
関連記事:【DTM】ミックスで音が安っぽくスカスカになる原因と解決方法5つ
MIX・マスタリングに必要なもの
DTMではDAW、オーディオインターフェースなどの録音機器、打ち込み音源などスマホのような簡易的なものでさえも作曲ができますが、MIX・マスタリングにはその作業専用に特別な機材が必要です。
- PC:できるだけ高スペック。スマホでは難しいです。
- DAW:CubaseProなど。トラックやエフェクト数などに制限がないもの。
- MIX・マスタリング用プラグイン:WavesプラグインバンドルやiZotepeなど。
- オーディオインターフェース:これにスピーカーやヘッドホンを接続。
- モニタースピーカー:正確な音像を確認するための専用のスピーカー。オーディオ用はNG。
- モニターヘッドホン:レコーディングやミキシングに適した専用のヘッドホン。通常のイヤホン、ヘッドホンはNG。
具体的にどんなものが必要なのかは以下の記事を参考にしてみてください。
参考記事:【2021年最新】絶対に持っておきたい!MIXに必要なおすすめ機材15選
MIX・マスタリングは外注でもOK
MIX・マスタリングは初心者にはかなり難しく、ある程度楽器や音響機材などの知識が必要になるため納得のいくレベルの技術を習得するのにかなり時間がかかります。
数か月や1,2年程度で覚えられるほど簡単な作業ではありません。
しかも必要機材だけでお金が数十万円以上かかります(´;ω;`)
よっぽどのMIX・マスタリングにはこだわりたい!という意思がなければ、作曲・編曲や楽器などの技術を伸ばしたほうが効率が良いので外注をおすすめします。
プロ級に音圧を上げる方法5つ
ここからは具体的なMIX・マスタリングでの処理の中で音圧に関わる特に重要なポイントを解説していきます。
音圧を上げる効果のある方法は以下の通りです。
EQ(イコライザー)で帯域を住み分ける
被りやすい帯域の音が重なりすぎて各楽器の音や歌がうまく分離していないとコンプレッサー・マキシマイザーなどで底上げしてもうまく音圧が上がらないことがあります。
人間で例えても横1列で正面に立たれると圧を感じますが、縦1列で並ばれても全然圧は感じないですよね。
楽器の特徴的な周波数を覚える
キックとベース、ギターとボーカルなど被りやすいパートの特徴的な周波数を覚えることでEQでその部分を残してカットするなどして音の住み分けをすることができます。
上記以外にもトラックをたくさん増やすほど被りやすくなってくるので各パートを事前に分析してEQ処理をする必要があります。
アナライザーでチェックしよう
EQ処理の前に各トラックにアナライザーというプラグインを使えば
- どこの周波数が被っているのか
- どの周波数が特徴的なのか
- EQやエフェクトでどれだけ音が変化するのか
- センター・サイドにどれだけの広がりがあるか
など視覚的に様々なことがわかるようになります。
耳で聴いた音で感覚的にEQをして失敗してしまう人は特に視覚情報を大切にしましょう。
僕はWavesのプラグインバンドルに付属している「PAZ-Analyzer」を使用していますが、無料でも「Voxengo SPAN」という優秀なプラグインがあるので使ってみてください。
関連記事:【2021年】Wavesプラグインバンドルの内容の違いを徹底比較!おすすめバンドル3選
コンプレッサーで音を均等にする
コンプレッサーは音圧を上げるために最も重要な処理ですが、最も失敗しやすい部分でもあります。
原因としては以下のようなことが多いです。
音圧を上げるためにはできるだけダイナミクスをなくして海苔のような波形に近づける必要があります。
ルールを作る
コンプレッサーは楽曲のグルーヴに合わせるとよく言われますが、正直なかなかそんな感覚は掴みにくいです。
なので以下のようなルールを決めて調節しましょう。
- GR(ゲインリダクション):-6dBを超えない。
- Ratio(レシオ):基本4:1。
- Attack(アタック):基本10ms以下。強調したいときは遅く。
- Release(リリース):基本70ms。GRメーターでリズムを確認しながら調整。
コンプレッサーのかかり具合は主にGR(ゲインリダクション)で確認します。
実際には楽器やテンポなどによってかけ具合は変わりますが、とりあえず触ってみないと覚えないので何度もパラメーターをいじって少しづつ音の変化を覚えてみてください。
マキシマイザーで音を底上げする
マキシマイザーは音圧を上げるためのプラグインです。
コンプレッサーやEQ処理がしっかりしていないと綺麗に音圧が上がりません。場合によってはクリップ(音割れ)したり聴きづらくなってしまいます。
マキシマイザーに頼りすぎない
マキシマイザーは簡単に音圧が上がるのでついついスレッショルドを大きく下げてしまいやすいですが、GRやAttenなどで3dB以下になるようにしましょう。
コンプレッサーやEQも同様ですが、マキシマイザーもかかり具合やかけた後の音の変化はプラグインによって大きく変わってくるのでできる限り有料プラグインを使うほうが良いです。
無料のマキシマイザーには「W1 Limitter」というものがあります。
MS処理をする
パンニングなどの空間処理はLRが基本ですが、これをMS(ミッド・サイド)という成分に分けて調整する処理です。
音が真ん中に固まりすぎて広がりが感じられときなどに効果的ですが、これまでMIXして整えたバランスを大きく崩してしまうリスクのある諸刃の剣です。
できる限りMS処理の必要がないようMIXする
MS処理はマスタリング段階で行いますが、基本的に必要ないことが多いです。
それまで各トラックにパンニング、ステレオイメージャーなどでセンターに密集しないよう処理しますが、どうしても最終段階で微調整したい場合に使用するのがおすすめです。
プラグインを使わないMS処理のやり方はDTMサイトのsleepfreaksに掲載されています。
倍音を増幅させる
音は倍音が増えると単純に迫力が増します。
倍音は基本的に歪ませることで増幅しますが、プラグインで特定の音域だけ増幅させたりヴィンテージ系のコンプ、EQなどでも増幅させることができます。
「何か物足りない」を解決してくれる
倍音の調整は各トラックのあらゆる場面で必要になってくるのでコンプレッサー・EQに付属していることも多いです。
挿すだけで音が良くなると言われているものやヴィンテージ系のプラグインは基本的に倍音が綺麗に増幅されてうまく味付けがされるからです。
倍音のコントロールにはWavesのGold以上のプラグインバンドルに付属している「Vitamin Sonic Enhancer」がおすすめです。
まとめ:やりすぎに注意
今回のまとめは以下の通りです。
- 音圧が上がらない原因:「MIX」ができていない。基本を学びましょう。
- MIX・マスタリングに必要なもの:PC、DAW、プラグイン、オーディオインターフェース、モニターヘッドホン、モニタースピーカー。ないものを揃えましょう。
- MIX・マスタリングは外注でOK:効率の良い方法を選びましょう。
初心者のうちはどの手順でもエフェクトをかけすぎてしまうことが多いですが、とにかく数をこなして何年も修行しないと何が原因なのか自分で気づくことはできません。
何度やってもうまくいかない場合は基本的な手順が間違っていることが多いので、本などを参考にしてMIXの基本的な流れを学びましょう。
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